510 LC直列回路の f 特性を知る
https://gyazo.com/c81d9cd031b31983280edf328ae00ba7https://gyazo.com/1020418a681c57903818feccf0ad09b8
◆理論背景と目的
$ LC直列回路の周波数特性(以降「f特」)は,交流回路において$ LとCの相互作用を知る上で重要な特性である.
理論は以下を参照.
理解しにくい事柄は参考書やWeb等で
◆参考実験の内容
内容については,以下にすべて含まれる.
※オシロとFGが異なるが,やることは同じ
◆LC回路のf特で得るべき値
◎LC回路の周波数特性はなんといっても$ f_0付近での急峻な電圧/電流の変化である.
この変化を特徴づける量が,$ f_0, Q_0, \Delta fである.
広範な周波数に対する電圧比の変化は対数グラフとして,またその中で$ f_0近辺を拡大的に測定したものを正方眼グラフとして可視化することも,回路特性の理解には重要である.
◎測定値・算出値は以下のようになる.
$ \frac{v_2}{v_1}から共振周波数$ f_{0(a)} とそこでの最大振幅値=$ Q_{0(a)} 測定
位相遅れ$ x = -90 \degreeになる$ f_{0(p)}を見つける
$ Q_{0(a)}, f_{0(a)}から共振の半値全幅$ \Delta f_{(e)}を算出推定
インダクタンス$ L を算出:理論式は?
$ Lの内部交流抵抗$ r'を算出:理論式は?
半値全幅$ \Delta f_{(m)}を測定( 厳密には算出 )
検討課題より,$ Q_{0(m)}を算出
← 計測した半値幅$ \Delta f_{m}計測した共振周波数$ f_{0(a)}から
◎グラフ(1)は拡大図( 正方眼 ):MUST!
※図内の$ f_{0(p)}は$ f_{0(a)}でも構わない
https://gyazo.com/b014df3fb1a97be2d6c2eac57a235dda
図520.1 周波数―振幅比拡大図
※実際には軸単位,目盛り,特徴量数値が必須
◎グラフ(2):周波数特性図(横軸対数):可能ならほしい(本来はこちらが先)
https://gyazo.com/e8d3a6e7a223573c3781ddb25a98d031
図520.2 周波数―振幅比全体図
※実際には軸単位,目盛り,特徴量数値が必須
◎グラフ(3):周波数―位相差図( 横軸対数 ):オプション
※$ f_{0(p)}はMUSTだがグラフは任意
★注意事項いろいろ★
◎振幅比$ v_2 / v_1を上手に測定するには
1. $ v_1をわかりやすい値に設定する:1.0V, 500mV, 250mV 等 → 割り算しやすい
2. $ f_{1(m)}, f_{2(m)}を求めるには,上と同じ$ v_1にしておいて$ v_{2(max)} / \sqrt{2}になる周波数見つける
※とても注意:$ f_0付近では$ v_1は変動する! → 都度,わかりやすい値に調整する
3. オシロの「measure」ボタンを活用する.$ p-p(1), p-p(2)を表示させると,FGの振幅調整が楽.
4. ただし測定はmeasureに頼らず,cursor機能できっちり測定する.
◎位相差を上手に測定するには
1. $ v_1, v_2両方の波形を縦に拡大し,0V付近の波を「立てる」 → 測定しやすくなる
2. 一つの位相遅れだけが見える程度に横方向を拡大する
【まとめ】
理論的には同じになるはずのいくつかの値を複数のやり方で求めた.
$ f_{0(a)}と$ f_{0(p)}
推定値$ f_{1(e)},$ f_{2(e)},$ \Delta f_{(e)}と実測値$ f_{1(m)},$ f_{2(m)},$ \Delta f_{(m)}
$ Q_{0(a)}と$ Q_{0(m)}
以上,得られた値を一覧表にしてまとめよ.
さらに,これらの値について(誤差などを)報告せよ.
【考察】
得られた結果(数値を中心に)を考察する.
※サブテーマごとに必ず考察すること
例:
計測した値,算出した値の誤差について考える
$ R, C, Lの値を変えたら何がどう変化するか考えてみる?
$ Q値を利用した実用的な回路は?
まとめたデータやグラフをよく眺める.
→ 気になること,ひっかかることを一つでも見つける.
→ そこに注目し,さらに詳しく調べ,考える.
どういう原理が働いているのか,なぜそうなっているのかを推測し,
→ それを確認するにはどういう実験をすればよいかを考案する.
☆☆レポート作成のポイント☆☆
レポートのために何が必要がまとめておく.
◆1◆振幅比:$ v_2/v_1 ⇒ グラフにプロット
◆2◆全体図=片対数,$ \Delta f部分拡大図=正方眼
◆3◆位相遅れ$ x ⇒ 位相差$ P(角度) ← $ 360 \times f \times x⇒グラフにプロット
◆4◆振幅比の共振周波数:$ f_{0(a)},位相差の$ f_{0(p)}
◆5◆比帯域幅推定値:$ \Delta f_{(e)},$ f_{1(e)},$ f_{2(e)}
◆6◆比帯域幅実測値:$ \Delta f_{(m)},$ f_{1(m)},$ f_{2(m)}
◆7◆2つの$ Q値:振幅比⇒$ Q_{0(a)},比帯域幅⇒$ Q_{0(m)}
その他,作るべき図表は何か?まとめるべきデータは?考察すべき項目は何か?
◆注意
この実験の結果/考察 が,本テーマの主課題の答えとは限らない
テーマ主課題にどう対応させるかは自分たちで考える!
以上.
2024/4/8